商売において客の心をガッチリ掴む7つの心得。あなたは何個当てはまる?

仕事の基礎

一生懸命がんばっているのに全然売れない。売れないから毎日の様に上司から怒られ、心は疲弊し、自暴自棄になっている営業マンの何と多い事か。

売れない原因のひとつとして、考え方や営業のやり方が間違っているにも関わらず、それを日々繰り返しているという事が挙げられる。例えば好きな異性から嫌われている事に気付かず、一生懸命アプローチを繰り返してしまい、やればやるほど嫌悪感を持たれ泥沼に引きずり込まれていく情景と似ている気がしてならない。

一生懸命なのはとても大切な事だが、基本的な考え方と手法を学んでから着手していくのが望ましい。そうすれば無駄な寄り道をせず、限りある時間を使って自分を着実に成長させる事ができるだろう。そこで今回は無駄な時間を使わない為にも、ビジネスに効く7つの大切な考え方をご紹介したいと思う。

「商品」を売るな「未来」を売れ

例えば車の販売会社にいる営業マンであれば車を売るのが仕事だ。売ってなんぼの世界だが、果たしてお客は車が欲しいのだろうか?

否!

欲しいのは車とは限らない。カッコいい車を買いたいという人はいるだろうが、それは全体から見るとほんの一握りに過ぎない。事実、車の免許を取得する人が年々減少傾向にあり若者の車離れが深刻になっているのが現状。そんな中、「車が欲しい」と思うのは車を手に入れた後の未来に価値を見出すからだ。

例えば、車があると電車通勤よりも早く職場に着ける、家族で高原にドライブできる、親の介護や子供の送り迎えが楽になる等、車は目的を達成するための単なる手段なのだ。営業マンは自分が売っているものをお客が手にした時、どの様な素敵な事が起こるのか提案する必要がある。なぜなら未来を語れる者がお客を幸せにし、更には自分自身も幸せにするのだから。

「性能」を売るな「物語」を売れ

若手営業マンが陥りやすいミスのひとつとして、会社から売れと言われた自社製品を売るのに製品の特徴ばかりをお客に説明する事だ。

新規のお客は製品の性能を求めている訳では無い。その製品がどれほど性能の良いものであっても、今必要ないと判断された場合、その製品が買われる事は無い。お客が物を購入するキッカケは自分にとってメリットがあるかどうか?自分にとって必要なものかどうか?という事だ。

あなたは必要の無い物に対して、わざわざお金を出してまで購入するだろうか?そう考えると答えは明白だ。

「必死」で売るな「余裕」で売れ

家に押し売り営業マンが来たら、あなたは嬉しいだろうか?
ちなみに私は押し売り営業マンが来たら迷惑なので、間違いなく丁重にお帰り頂くだろう。そもそも押し売り営業マンが嫌われる理由として、ずけずけと人の家にまで来て持ってきた商品をゴリ押しで売ろうとするからだろう。なぜ奴らは必死で商品を押し売りしてくるのか?それは会社という組織の上層部から商品を売る目標数を決められ、その数字をクリアしないと何かしらのペナルティーを課せられているからだ。

ただでさえ相手から興味の無い要求をされると人は拒絶するもの。それを圧が高い要求になれば拒絶の力は大きくなるばかりだ。それに必死に売り込もうとしている姿は大変みっともなく、それを受け入れてしまったら自分も軍門に下る情けない人間に思えてしまう。だから必死で哀れな営業マンからは買いたくない。それが人間の心理というものだ。

「価格」で売るな「価値」で売れ

グラス1杯のコーラを1,000円で売っていたら、はたして貴方は購入するだろうか?。普通に考えたら買わない。しかし信じられないが、そんな高価なコーラを買ってしまう事例が存在する。それはシチュエーションを添えて売る事だ。

例えば、結婚記念日にホテルの最上階で最高の夜景を見ながら飲む飲み物はたとえ1,000円でも想い出のひとつとして価値を生む。また、飲み物が何もない砂漠の様な場所で何日ぶりに巡り会えたのが1,000円のコーラであれば、命をつなぐための金額とすれば安いものだろう。単に価格だけを見ると高価に感じるものでも、その状況によっては安い買い物となるのだ。

「説得」で売るな「納得」で売れ

若い営業マンは自社商品を売る時、相手に対して何としても買ってもらおうと言葉巧みに説得しようとする。口数を増やして前のめりで相手の気持ちを動かそうとしても、相手はなかなか説得に応じない。時間も労力も必要以上に使った後、やっとの事で買ってくれたとしても、購入後に何か問題があった場合トラブルに発展する可能性が非常に高くなるのだ。

相手に商品を提案する時は説得するのではなく、相手が納得する事を目標にすると話が円滑に進む。それに購入後の問題も相手が納得した上での話なのでトラブルに発展する事は少なくなる。相手を納得させるには相手を知り商品の特性を知りストーリーを語る事ができれば、それほど難しいものでも無いだろう。

「単発」で売るな「継続」で売れ

全力で商品を売り込んでお客に買ってもらったら、次に新しいお客を探して商品を売り込む。こんな事を繰り返していたら、非常に効率が悪いし心も体も疲弊してくるだろう。ビジネスは単発ではなく継続させるのが儲かる秘訣。その理屈から、サービス利用料を月額で徴収するサブスクリプションというビジネスモデルが最強と言われている。

かのマイクロソフト創始者であるビル・ゲイツは、若かりし頃にIBMのソフトウェアをライセンスという形態で販売した。利用する人数に応じてソフトウェアが買われる上、年間契約として契約期限が切れれば契約を継続するためにお金を払うというしくみだ。このビジネスモデルがきっかけでマイクロソフトは会社の規模が大きくなり、後にWindowsという世界的にも有名なオペレーティングシステム(OS)を開発する事となるのだ。

「戦術」で売るな「戦略」で売れ

営業マンが商品を売るとき、それぞれが持つ営業テクニックを使って相手をコントロールする。例えば商品の定価を高めにしておいて値引き金額を増やし、安くなった様な錯覚をお客に与えるテクニック、期間限定という時間軸をうまく利用した希少価値を上げるテクニック、たくさん買えば安くなるというボリュームディスカウントを巧妙に使ったテクニック、どれもこれも大切な事だ。

しかし更に大切なのは目の前の商売に囚われすぎず、先を見通し計画を立てる事と言える。1年後はどうか?3年後はどうか?5年後はどうか?今のまま同じ商品を売っていては消耗戦になるばかりか、客層も徐々に変化していき、競合他社も魅力的な商品を販売し始める。すると徐々に自社製品は売れなくなってしまうだろう。そんな時に大切なのは中長期でビジネスの戦略を考える事だ。

眼の前の忙しさで仕事をしている気になってしまうが、時間を見つけて先の事を考える余裕も必要なのだ。お気付きかもしれないが、今回紹介した7つの大切な事はそれぞれが微妙に関連しており、営業マンとしての仕事の基本を説いたものである。

若手営業マンはもちろんの事、中堅営業マンが忘れがちな営業の基本を今一度思い出し実践してもらいたい。そうすれば面白い様に商品が売れ、お客も自分も幸せになるという楽しい営業ライフが待っているのだから。

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